差別禁止法に関する資料

日本、国連障害者権利条約を批准(2013年12月4日)

2013年12月05日

 国連の「障害者権利条約」の承認案が11月19日の衆議院本会議、12月4日の参議院本会議で可決され、条約発効から5年余りで日本が批准することになった。

 「障害者権利条約」は2006年12月に国連総会で採択され、08年5月に発効している。「障害に基づくあらゆる差別」の禁止や、障害者の権利・尊厳を守ることを定めており、これまで世界で137カ国が締結している。

 日本政府は、「国内対策を充実させた上で批准すべきだ」との障害者団体をはじめとする人権団体の要請を受けて、12年に障害者総合支援法、13年6月に「障害者差別解消法」を成立させるなど、批准に向けた国内法令を整備してきた。

 日本の国会承認を受けて、日本弁護士連合会は12月4日に山岸憲司会長の声明を発表し、政府の条約承認に至ったプロセスを評価した。しかし、山岸会長は、「障害者差別解消法」は「社会的障壁の除去の実施について民間事業者の合理的配慮義務が努力義務にとどまり、国内人権機関も設立されていないなど、国内法整備は、必ずしも十分とは言い難い。権利条約の趣旨を国内において実現させるために、国は、引き続き、次に述べるような国内法整備を行うことが必要である」と提言している。

また、「学校教育法及び同法施行令は未だ、障がいのない子もある子も分け隔てなく共に学ぶことを原則としておらず、あらゆる段階において共生社会を形成するための教育(インクルーシブ教育)を保障するための法整備が必要である」、「精神保健及び精神障害者福祉に関する法律などに定める精神障がいのある人に対する強制入院のあり方は見直しが必要であり、また、効果的な権利擁護制度の確立、入院者を減少させるための地域生活の支援の充実が求められる」などと課題を提示している。

そのような課題を踏まえ、「障害者権利条約」の趣旨を国内において実現させるためにも、速やかに法改正を行うことを強く求める、と意見表明している。

<参考>

http://www8.cao.go.jp/shougai/contents.html

内閣府 障害者施策

http://www.nichibenren.or.jp/activity/document/statement/year/2013/131204_3.html

「障害者の権利に関する条約」の批准に際しての会長声明(13年12月4日、日本弁護士連合会会長声明)

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