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『障害者差別禁止法』通常国会へ、差別禁止法の実現を目指す ラウンドテーブルin 東京

2013年02月28日

昨年の衆議院選挙2日後、慌ただしさを感じる参議院議員会館。「12.18『障害者差別禁止法』を通常国会へ差別禁止法の実現を目指すラウンドテーブルin 東京」を開催し、約50人の参加がありました。

ラウンドテーブルin東京

共同代表である辛淑玉さんの開会あいさつからスタート。辛さんは「被災地で社会が障害になっている人の死亡率は2倍以上。いかに社会の障害をなくすのか、今生きているおとなに求められる。多くのことが見えなくっている。大事なのはそれが見えるのかどうか。」と提起。そして、差別禁止法での国籍条項の問題を話し「乗り越えられるかどうか、この活動に求められる」と話しました。

 

 

ラウンドテーブルin東京

2012年9月14日に出された内閣府障害者政策委員会「差別禁止部会」の意見について、障害者制度改革担当室の南舘こずえさんが、基調報告しました。

 

 

 

 

多数の差別事案が既存法では十分解決できない。何が差別か「物差し」を明らかにし、社会ルールとして共有や簡易迅速な紛争解決の仕組み等、法的保護の仕組みを用意する、法律の必要性を説明しました。

国等の責任として、▽差別の防止に向けた調査や啓発、▽ガイドラインの作成▽解決の仕組みの円滑な運用▽関係機関の連携確保▽関係機関の職員等に対する研修や人材育成など。特に差別かどうかの具体的な基準になるガイドラインの作成が重要であると話しました。

障害に基づく差別は「不均等待遇」と「合理的配慮の不提供」を説明しました。

不均等待遇は「障害又は障害に関連する事由を理由とする区別、排除又は制限その他の異なる取扱い」

合理的配慮は「障害者の求めに応じて、障害者が障害のない者と同様に人権を行使し、又は機会や待遇を享受するために必要かつ適切な現状の変更や調整を行うこと」を解説しました。

 

各問題提起では、全国ハンセン病療養所入所者協議会(全療協) の神美知宏会長と、内田博文・九州大学名誉教授が報告しました。

共同代表でもある神会長は、ハンセン病回復者の経過と現状、60年間の闘いと語りました。

そして、「究極の目的は、差別の連鎖を絶つこと。」

「差別禁止法をつくる運動は、私たちこそ、積極的に関わらなければならない。残された人生、どういう人生をしていくかが問われる」「共通の目的を持った仲間がいることに暖かさを感じ、共に頑張りたい」と話しました。

内田さんは人種差別撤廃委員会の見解や、「人権擁護推進審議会答申」、ドイツ刑法、アメリカの「ヘイトクライム法」にふれ、日本の学会の差別禁止法反対の誤りを詳しく説明しました。そして、「差別禁止法と表現の自由や罪刑法法定主義は両立する」と強調しました。

DPI日本会議事務局長の尾上浩二さんも、駆けつけてくれました。尾上さんからは、「『障害者差別禁止法』の制定をめざし、全国各地から声を集めて国会に送りたい。障害者団体や関連分野の方々の協働した取り組みをお願いしたい。」と訴えました。

参加者からは、「人種差別撤廃法」のとりくみ、高校無償化で朝鮮学校の排除に対する法務局へのとりくみ、確信的な差別扇動への規制、非当事者を巻き込んだ活動の在り方、国を動かす実態調査の必要性など、意見や質問を出し合いました。

最後に共同代表の奥田均さん(近畿大学人権問題研究所)は、「反差別の運動も縦割りであること」を指摘し、先頭を走る障害者差別禁止法の制定への協働、差別禁止法制定へのネットワークづくり。将来的に差別禁止法制定を求める連絡会や合同研究作業・交流、など今後のとりくみを提案しました。

USTREAMの動画で、ディスカッションのやりとりすべてを視聴することができます。ぜひクリックしてみてください。

「差別禁止法の制定を求める市民活動委員会TV」

http://www.ustream.tv/channel/sabekin  (制作:NPO法人マイフェイス・マイスタイル(MFMS))

差別禁止部会アドレス

http://www8.cao.go.jp/shougai/suishin/seisaku_iinkai/index.html#kinshibukai

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