活動報告・ニュース

「障害者差別禁止法」をめぐる動き-第17回障害者政策全国集会より

2011年12月07日

第17回障害者政策研究全国集会が12月4日、東京・戸山サンライズで開催されました。午前中は、8月に改正施行された障害者基本法、8月末に骨格提言が出され法案化が進められている障害者総合福祉法、そして障害者差別禁止法の動きについて報告がありました。

「差別禁止法の動き」については障害者の生活保障を要求する連絡会議事務局長で差別禁止部会構成員である太田修平さんから報告がされました。

障害者差別禁止法は、障害者制度改革推進会議のもとに設置された差別禁止部会(委員15名、オブザーバー2名、専門協力員3名)において12月4日現在までに計10回の部会が開催されています。この中で、各国の差別禁止法制度の概要、障害にもとづく差別類型や定義の議論などが話し合われています。今後は教育やサービス分野など各論に加えて差別を受けた人の救済を行う人権救済機関などの議論が行われ、2012年8月ぐらいまでに骨格提言をとりまとめ、2013年の通常国会に法案を提出するというスケジュールで動いていくようです。

障害者差別禁止法案をまとめるにあたってまず問題になる障害者の定義、障害の定義については、改正障害者基本法の第2条の規定をもとに議論されています。本年6月15日の衆議院内閣委員会で園田政務官は「(障害者とは)すべての機能障害を持つ人を対象。難病や高次脳機能障害なども含まれる」と答弁しています。部会に示された参考文案では「障害者とは、身体障害、知的障害、精神障害(発達障害を含む)その他の心身の機能の障害があるものであって、障害及び社会的障壁により継続的に日常生活又は社会生活に相当な制限受ける状態にあるものをいう」と答弁しています。

差別禁止部会ではこれに加えて「1.過去の障害の経歴がある場合。障害が将来生ずる可能性がある場合。3.障害があると他者からみなされている場合」についても対象にすることを検討しています。

また差別の類型について、直接差別、関連差別、間接差別、合理的配慮を行わないことの4類型と不均等待遇、合理的配慮を行わないことの2類型の二つの類型について議論がされています。

太田さんは、「障害者の問題はまさに差別をなくしていくことにしか解決の道はない」ことを強調されました。また、総合福祉法について議論する総合福祉部会などに比べて差別禁止部会への当事者の関心が低いこと、当事者からの具体的な差別と思われる事例の集中が重要であることが訴えられました。

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